仕掛けないストラテジーと受け継がれていくポリシー。藤原ヒロシの頭の中【INTERVIEW】4/4
でも多くのファンが並びますが、並ばせる仕掛けというのは考えますか?
あまり仕掛けとは考えていないのです。ただ、欲しい物を手に入れるのに、自分自身も中学の頃は並びましたから。
ーー藤原さんも並んだ経験があるのですか?
ありますよ。京都にあった「ナイトパフォーマンス」っていう古着屋さんで、そこのオーナーがロンドンから5~6足買って帰ってくるラバーブーツやセディショナリーズが欲しくて並びましたよ。並んでいたと言っても10人ほどですが。
ーー今は“ラグジュアリーストリート”と呼ばれる動き自体もそうですが、藤原さんを代表する東京のブランドがアイテムを限定数、限定期間を設けて販売するという手法が、モードの世界を含めてファッションのグローバルな戦略になってきたような気がしますが?
確かにそういう売り方をしたのが最初は僕たちだったのかもしれないのですが、それは予算的にも、売れるかどうか分からなかったので、それだけしか作れなかったということです。作らなかったわけではないのです。今でもそれほど戦略的に考えているわけではない。
自分たちがやりやすくて、着て欲しいと思う数をそのキャパシティでやっていただけです。