2015年10月24日 21:00
洋服のルーツを横に広げるんじゃなくて、下へ下へと掘り下げていく--山下裕文×小暮昌弘2/2【INTERVIEW】
ここに1日中居られればいいなと、思っていましたから(笑)。
小暮:その後はいくつかのショップやブランドのコンサルティングなどを経験し、フリーランスになって、2010年にモヒート(MOJITO)を作ったわけですね、ヘミングウェイをテーマに。僕らの世代だったらヘミングウェイは、すぐイメージ出来るんですけれど、若い人には、ヘミングウェイという存在は、もう昔に亡くなっているし、遠いじゃないですか?今山下さんの服を買ってくれる人たちは「モヒート=ヘミングウェイ」と意識してくれますか?
山下:それがイメージしてくれているようです。北海道とか京都とか、同じ場所に毎年2回トランクショーに行くのですが、僕の洋服をきっかけにしてアーネスト・ヘミングウェイに興味を持ってくれたという話をよく耳にします。「この間(山下さんが)話されていた、あの本を読みました!」とかお客さんが言ってくれるんです。
小暮:「アルズコート」だったら、モデル名の由来になったアルが登場する『殺し屋』(1927年発表)を読んでくれるわけだ。それは素晴らしい!ここ数10年くらい、洋服は消費されていく傾向が強いですね。次々と流行が変わったりして。