くらし情報『オブジェと身体の共犯、銀座メゾンエルメス フォーラムで「曖昧な関係」展』

2016年11月12日 18:00

オブジェと身体の共犯、銀座メゾンエルメス フォーラムで「曖昧な関係」展

アンヌ・ロール・サクリスト/ Anne Laure Sacriste

Photo: N. Pfeiffer | Courtesy of the artist


世代や国籍、表現方法の異なる3人のアーティストの作品を通して、作品と身体との間に生まれる関係性について考察した「曖昧な関係」展が、12月21日から17年2月26日まで銀座エルメス フォーラムで開催される。スイスのジュエリー作家であるベルンハルト・ショービンガーは、身につけることを前提とするジュエリーの制作を通じて、身体の物質性やその強さと弱さ、そして欲望を忠実に描き出す。愛や権力と結びつき、欲望の対象であり続けた装飾品が、身体の不在によって初めて本来の価値を認識されるような、身体と装飾品の主従関係の曖昧な反転を見ることができる。フランス人画家のアンヌ・ローテ・サクリストは、15世紀にパオロ・ウッチェロが描いた『サン・ロマーンの戦い』に見られる詩的で幾何学的な抽象性を京都の石庭に重ね合わせ、室内と外や、部分と全体の移ろいやすく相対的な関係を浮かび上がらせる。ベルリン在住のアーティストのナイル・ケティングは、光波や音波といった不可視のマテリアルをベースにシグナルや香りといった現象を新しい物質性の感知やコミュニケーションへと置き換えてゆく試みを行う。

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