2018年1月14日 11:00
ピカソ、ゴッホ、ゼザンヌら6人の画家に捧げるオマージュ絵画、小山登美夫ギャラリーで桑久保徹の個展
描く作品を選びながら、何を画家が考えていたのかを追体験する、究極のオマージュだ。
Johannes Vermeer’s Studio
2016
oil on canvas
181.8 × 227.3 cm
©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
本シリーズは2014年から制作をスタート。1月はピカソ、桜の季節を連想させる4月をアンソール、空に風を感じさせる5月はセザンヌ、爽やかな初夏の7月はスーラ、夏の夜の海を感じさせる8月はゴッホと、自身が好きな描きたい作家と月を合わせていった。12作品で完成するこのシリーズ、ほぼ4年の歳月をかけても、本展ではまだ月もばらばらな6ヶ月分。このカレンダーシリーズ自体が「不規則な時間速度」となっている。
本展では、「カレンダーシリーズ」作品ペインティング6点とドローイング6点を展示。ドローイング作品の上部にはレコードが共に額装されており、そのレコードには桑久保徹が友人の音楽家・日高理樹に制作を依頼し、その作家を題材とした音楽を録音した。「レコード」という旧来の記録媒体を使用する彼らしい方法で、美術史の作家をテーマに絵画と音楽で挑むという複合的なアプローチにも挑戦している。