2018年3月29日 18:00
男性だけのウィメンズコレクション、シアタープロダクツの倒置によるフェミニズム【2018-19秋冬ウィメンズ】
女性に転換すればまったく違う風景が見えてくる。
2014-15年秋冬シーズンにもメンズウェアをテーマにしたコレクションを発表。「前回の提案が不本意で、メンズのアイテムをもっとしっかり表現したかった。特に女性らしさを考えず、デザインをそぎ落として男性の服の魅力を前面に出した」デザイナーの森田美和。「ジェンダーを超えてファッションは楽しめるものだ、ということをあらためて感じた」と同ブランドの設立者である武内昭は話す。
ショーはヒューマンビートボクサーのアフラ(AFRA)がその場のオーバーダビングによる即興ライブで進行。オープニングからエンディングまでソロパフォーマンス。まったく一人の手によってその場でショー音楽を作り上げた同様の試みは宇宙旅行をテーマにした16-17秋冬コレクションで(TUKER)が楽器を使って行われたが、今回はボイスのみ。
ウィメンズがメンズに、女性モデルが男性モデルに、声が楽器に、マジックやフェイクではなく、リアルに倒置されたコレクションとなった。
Text: Tatsuya Noda
WEST.小瀧望、“出会いと別れ”を語る 『NYLON JAPAN』連載18回目で現実と非現実を行き交うファッションに挑戦