2020年3月4日 12:00
写真家・鈴⽊親の個展「東京の⽇常の断⽚」が天王洲のギャラリーKOSAKU KANECHIKAで開催
それらの多くは撮影されてから、発表されないまま⻑い時間を過ごしてきた写真だ。
Shinjuku, Tokyo, 2018
© Chikashi Suzuki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA
⼈間が⾒る⾵景や事物、⽇常の変化を写真に撮り始め、現実を複製することに憑かれてから久しいが、デジタルが登場してからは、写真はかなりのスピードで消費されるようになり、そのイメージは作られては過ぎ去っていくものとなった。それとは対照的に、鈴⽊が今回展⽰する、フィルムで撮影された写真は、ほとんど⼈の⽬につくことなく時間が経過したことで、新鮮な存在感をまとって私たちの前に現れる。
パブリックな存在の⼈物、パブリックな存在になる前の⼈物、東京の街、⾵景や花などが、等しく鈴⽊の⽇常の断⽚として切り取られている。そこには真実が写っており、また鑑賞者が受け取り、無数に紡ぐことができる新たなストーリーの余地がある。
Nakano, Tokyo, 2015
© Chikashi Suzuki, Courtesy of KOSAKU KANECHIKA
「写真はすべて死を連想させるものである」