藤田嗣治の“猫”を特集した展覧会が軽井沢安東美術館で、擬人化した《猫の教室》や自画像に寄り添う猫など

展覧会「藤田嗣治 猫のいる風景」が、2025年3月6日(木)から9月28日(日)まで、長野の軽井沢安東美術館にて開催される。
藤田嗣治が描いた“猫”にフォーカス
画家・藤田嗣治は、明治時代、26歳のときに単身でフランスに渡り、日本画の技法を油彩画に取り入れる独自の画風を確立。その画風を活かした「乳白色の下地」の裸婦作品は、藤田の代名詞とも言える作品で、1920年代のヨーロッパ画壇を席巻した。
また、渡仏してすぐにパリで出逢った猫を自宅に連れ帰ったのがきっかけとなり、猫を画題とした絵を多く残したのも特徴。藤田は裸婦像に度々猫を登場させたほか、繰り返し制作した自画像にも猫を描き込んでいる。
猫を擬人化した《猫の教室》や版画集『猫十態』など
「藤田嗣治 猫のいる風景」は、藤田嗣治の作品に多く登場する“猫”にフォーカスした展覧会だ。猫を擬人化した人気作品《猫の教室》をはじめ、愛らしい仕草をする猫を捉えた版画集『猫十態』シリーズで描かれた全作品10点など、猫をモデルにした作品を一挙に公開する。
なかでも注目は、軽井沢安東美術館初公開となる《天蓋の裸婦》。
ベッドの前に腰を下ろす裸婦が画題となった作品だが、じっくり目を凝らして見ると裸婦の後ろですやすやと眠る猫の姿を発見できるだろう。