2018年1月27日 11:20
映画『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ショーン・ベイカー監督“夢の国”外に住む貧困母子家庭を描く
トランスジェンダーの女性たちを全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』で、サンフランシスコ映画批評家協会賞・脚本賞をはじめ、22受賞33ノミネートを果たした才能あふれるクリエーターだ。
ショーンがデビュー当時から据えるのは、社会の片隅で生きる人々。過去には、違法移民の中国人、路上でブランドのコピー商品を売って生活している人物なども、題材として取り上げている。
彼の作品の面白さは、ユニークな映画の作り方にある。「僕らはいつも同じやり方で映画を始めるんだ。この企画に参加したいかどうかを地元の人たちに尋ねるんだよ。」と話す通り、物語の舞台=つまり現場をリサーチするところから始める。『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』は約3年に渡ってリサーチ旅行を繰り返し、実際にモーテルにも何度も宿泊して構成を完成させた。
キャスティングも実験的なことが多く、ストリートキャスティング、ソーシャルメディアを使ったスカウトなども実施。
映画『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』では、シングルマザー・ヘイリー役のブリア・ヴィネイトをインスタグラムで発掘。また、主人公ムーニーの友人役を、撮影現場近くの量販店で声をかけてオーディションに呼んだという。