2018年1月27日 11:20
映画『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ショーン・ベイカー監督“夢の国”外に住む貧困母子家庭を描く
ショーン・ベイカー監督にインタビュー
日本公開に先駆け、ショーン・ベイカー監督が来日。“斬新なストリーテーラー”との異名を持つほど、リアルな現実をドラマティックに描く彼に、作品製作のこだわりについて話を聞いた。
“夢の国”の近くの安モーテルを舞台に選んだ理由は何ですか。
“皮肉な場所”ですよね。子供たちにとって、マジカルで幸せな場所といわれているテーマパークの真隣には、貧困で住む家がなく、モーテルに住まざるおえない子供たちがいる。“最高の夢の国”の近くで、子どもたちがカツカツの生活をさせられているという悲しい皮肉。これが同居しているところが印象的だったんです。
初めてこのエリアのことを知ったのは、共同で脚本を執筆し、製作を担当しているクリス・バゴーシュに、安モーテルに関する新聞記事を教えてもらってから。
その後、彼からテーマパーク近くのハイウェイ脇で子どもたちがいたという話を聞いたんです。
そこからリサーチを始めたのでしょうか。
リサーチ旅行は、フロリダ州キシミーを中心にスタートさせました。そこで初めて、「隠れたホームレス」というアメリカの現実に触れました。永住できない人たちにとって安モーテルが最後の避難所となっている。