2018年3月8日 02:50
コム デ ギャルソン 2018-19年秋冬コレクション - 不真面目な中から見つける新しい価値とは
コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。
今シーズンの起点となったのは、デザイナーの川久保玲の心を捉えた「キャンプ」という思想だ。アメリカ出身で小説家、エッセイストとしても活躍するスーザン・ソンタグが唱えるその考え方は“不真面目、悪趣味の中に新しい価値があるのではないか”という発想。彼女の思想に共感した川久保玲は、様々なテキスタイルを使ってこのメッセージを発信する。
巨大で重量級。左右に大きく広がるもの、ゴロンと丸みを帯びているもの。時に花のようなシルエットで、時にジャケットと認識できる“洋服の形”で。コレクションピースはまるでオブジェのような圧倒的な存在感がある。
シルエットから共通項を見出すことは困難であるが、テクニックの視点でみると「レイヤー」を統一したキーワードに据えていることは見てとれる。
凹凸、うねり。そういった洋服の表情を引き出す部分には、レース、ニット、オーガンザ、加えてスポンジのように弾力のあるメッシュ地など、テクスチャーの異なるファブリックを断層のように重ね合わせて製作。花の形、雲のような形、不規則な曲線ライン。