くらし情報『「ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」東京・大阪・福岡で、油彩など約70点が集結』

2019年2月8日 19:40

「ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」東京・大阪・福岡で、油彩など約70点が集結

モローが《出現》において描いたサロメは、豪華なヴェールと宝飾品を纏い、左手を真っ直ぐ伸ばして中空に浮かぶ斬首のヨハネを見据えている。2人の関係性を際立たせる独創的な構図と、細やかな建築・装飾の描写が印象的で、19世紀末の芸術家に多大な影響を与えている。

その他、《ヘロデ王の前で踊るサロメ》のための油彩習作や、「入れ墨のサロメ」と呼ばれる油彩作品の関連素描なども登場。モローによるサロメのイメージ生成の軌跡を辿ることができる。

想像力をかきたてる劇的な描写
また、モローは、男性を翻弄するファム・ファタル、もしくは悪女とされている女性をモチーフにする一方で、逆に男性からの標的となり数奇な運命を辿った女性も描いている。たとえば、《エウロペの誘拐》では、古代ローマの詩人オウィディウスによる叙事詩『変身物語』で、牡牛の姿に変身したユピテルが、フェニキアの王女エウロペを誘拐する場面を描いている。七宝細工のように輝く色彩と、想像力をかきたてるドラマティックな描写によって、女性の夢幻的で妖艶な姿が描き出されている。一角獣をテーマにした作品も
純潔の乙女のみに従順になり、ことにキリスト教では聖母マリアの処女性と関連付け られてきた一角獣も重要なモチーフ。

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