2019年10月19日 19:00
トモ コイズミ 2020年春夏コレクション - 円形劇場、身体に沸き立つ感情の“かたち”
バックのみならず、フロントも異様に膨らむ。あるいは、スリーブは腕の原型を留めぬほどに大きく、また長くなり、鳥の羽のようにすら見える。丈感の短いドレスに合わされば、身体の元々のシルエットと巨大なスリーブとが怪しげなまでのコントラストを見せる。
ショーが進むにつれ、色合いはますます豊かに。快活なオレンジとイエロー、ミステリアスなパープルにグリーン、ポップでヴィヴィッドなピンクやレッド。多様な音楽に合わせて、それらはさまざまに沸き立つ感情を映し出す。
スカートのみならず、パンツのスタイルもラッフルが咲き乱れて現れる。ピンクのボディにレッドのパーツが垂れ下がる姿は、どこかプレゼントボックスのよう。
華やかなラッフル、数多とあしらわれたリボンとあいまり、“ギフト”というテーマが見え隠れるする。そこには、ニューヨークでの初のショーの折にお世話になった、たくさんの人たちへの感謝の気持ちを伝えたいという小泉の思いが込められた。
モデルは円形劇場の舞台を、練り歩き、かがみ、そして舞い踊る。それに合わせて、豊かにあしらわれたラッフルは風をはらんでふわりと揺れる。あるいは、長いスリーブがひらりと宙に翻る。