2021年3月12日 19:50
シモーネ ロシャ 2021-22年秋冬コレクション - 花が持つ二面性、新たな美への扉
その好例となるのが、大きなフリル付きの白のドレスルックに紛れたディテール使い。ドレスに合わせたハーネス風の黒ストラップ&厚底シューズは、本来パンク要素の強いものであるが、ヘッドピースや首飾り同様のパールを装飾することで、不思議と統一感のあるフェミニンなルックへと引き寄せている。
シルエットを再解釈
代表的なユ二フォームのシルエットも、ブランドらしい再解釈を加えて。アーミーカラーのジャケットは、大輪の花を咲かせたようなフリルと共に、ふんわりと柔らかなシェイプで優美な甘さを。また黒のライダースジャケットシリーズの中には、パフスリーブと共にAラインのロング丈で仕立てたことで、ドレスに見まがうロマンティックなフォルムのピースも存在する。
フラワーモチーフのビーズピアス
顔回りに華を添えるのは、コレクションを彩る花刺繍を取り出したかのような、フラワーモチーフのピアス。ダスティなピンク、情熱的なレッド、そしてややダークなワインカラー。コレクションを交差する対照的なムードを引き継ぐように、様々なカラーの花々が大ぶりのビーズで表現されている。
コレクション全体を俯瞰してみると、こうした“二面性”は、女性本来が抱える複雑な内面を体現しているかのよう。