2021年3月25日 17:40
ドレスドアンドレスド 2021年秋冬コレクション - persona|anosrep──鏡映しのわたし
身体に沿うようなスリップドレスには大胆にレースを使用し、素肌を覆う/曝けだすのあいだに震えてやまない。
一方、比較的ロングな丈感のショールカラージャケットにはタイツを重ねる。普通ならば艶めかしい肉体の白さが覗くであろう大胆な網目の先には、屈強なフォルムと上品な光沢感が層を織りなしている。一方でアイレットを散りばめたジャケットは、なるほど多数のホールがシャツの布地や素肌を覗かせるものの、鮮烈に光を返す、大小異なるサイズのアイレットは、ややもすれば強烈に過ぎるエロティシズムを屈折させている。
繊細に波打つ、屈強なエレガンス
そして、凍った水面のように屈強なエレガンスを湛えるダブルブレストのチェスターコートやラップスカートには、裾に数多とフリンジを配して。ひとつには、刺繍と同様に繊細な作業を屈強なフォルムに接ぎ木する意識が窺えよう。他方で、歩みに合わせて激しく揺れ動くフリンジは、静謐にして端正なフォルムを示すコートやスカートと鮮烈なコントラストを描いている。だとするならば、風を孕んで軽やかに、また激しく震えるキュプラ地のローブは、運動とともに揺らめき、波打つはずの身体の表皮を、ドラスティックに可視化したものなのかもしれない。