2021年5月9日 18:30
アカデミー賞ノミネート映画『アイダよ、何処へ?』戦後の欧州最悪の悲劇「スレブレニツァの虐殺」を描く
ヤスミラ・ジュバニッチ コメント全文
5 年の歳月をかけ、多くの障害を乗り越えて、ようやく映画を完成させることができました。スレブレニツァ事件はボスニア人にとってつらい記憶です。 25 年を経た今でも遺体の捜索は続いているし、虐殺を逃れた人たちの多くはまだ生きている。そして、殺害された遺体が新たに発見されたら誰かが刑に処されることになる。だからセルビアでは事件自体を否定する声もあるし、さまざまな感情が渦巻く政治的にも難しい問題なのです。
そこに踏み込むのは私には無理だとずっと思ってきました。ですが5作品を手掛け、ようやく私にも撮れると感じたんです。それで 調査を始めて大勢に話を聞くところから始めましたが、想像以上の大仕事でした。
生き延びた人たちー彼らは今も生きているし、実際に起こったことをその目で見ているーへの大きな責任もある。だから、私たちボスニア人にとって苦痛に満ちたこの出来事を、できるだけ正確に世界に伝えたかったのです 。
アカデミー賞国際長編映画賞にノミネート
なお、映画『アイダよ、何処へ?』は、第74回アカデミー賞外国語映画賞受賞作『ノー・マンズ・ランド』以来19年ぶりにボスニア・ヘルツェゴヴィナ映画として、2021年度のアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。