2021年10月23日 19:00
アツシ ナカシマ 2022年春夏コレクション - 可能が可能のままであったところ
「可能が可能のままであったところ」
「今日ですべてが過去に沈んでしまった。そして私は秋になってしめやかな日に庭の木犀の匂を書斎の窓で嗅ぐのを好むようになった。私はただひとりでしみじみと嗅ぐ。そうすると私は遠い遠いところへ運ばれてしまう。私が生れたよりももっと遠いところへ。そこではまだ可能が可能のままであったところへ」(九鬼周造「音と匂 ──偶然性の音と可能性の匂──」)──リフレインする、「可能が可能のままであったところへ」と。今季のアツシ ナカシマが赴いたところとはある意味で、意識されるものとされないものとの“あわい”にある、この「可能が可能のままであったところ」であったのかもしれない。
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