くらし情報『2歳息子とバスに乗ったら… 運転手の『行動』に、母親が涙こらえた理由』

2021年10月19日 15:58

2歳息子とバスに乗ったら… 運転手の『行動』に、母親が涙こらえた理由

平日の昼前、いつも通り息子を抱きかかえて、ICカードをタッチさせてやり、都営バスに乗り込む。

息子のお気に入りは一番前の、普通乗用車で言えば助手席に当たる席だ。乗客や運転手、すれ違う様々な車にバイク、景色も良く見えるその席は、座れると私もわくわくした気持ちになる。

だが、その日いつものバス停にやって来たのは新型のフルフラットバス。乗車口に一番近い場所には座席が無く、あいにく、運転手の真後ろの席も埋まっている。

「一番前の席は無いから座れないね。今日は後ろに座ろうね。」

息子がぐずる前に、私は必死でなだめる。息子は、一瞬残念そうな顔をしたが、初めて乗るフルフラットバスを見渡していつもとは違うバスだということを理解したようだった。


私たち親子は、目的地も無いのでいつも終点の新宿駅西口まで行く。

バスが10分ほど走ったところで途中のバス停に着いた。降車口は開くが、一番前の乗車口は開かない。いつもなら同時に開くのにどうしたのだろうかと思っていると運転手さんがアナウンスをした。まずは、バス停で待つお客さんに「少々お待ちください」と。

そして次は車内に。

「お母さん、一番前が空きましたからどうぞ」

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