【『不適切にもほどがある!』感想 初回】宮藤官九郎は決して守りに入らない
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2024年1月スタートのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の見どころを連載していきます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
おそらく全国あちこちで、2024年1月26日の22時10分あたり、「昭和生まれの中年がメンタル瀕死になっていたのではないか」と思う。
「こんなに野蛮な時代だったか?」「こんなにひどい日常だったか?」と思っただろう。
だが記憶をぼんやりと辿るに、ドラマとして詰め込んではいたけれど、全部確かに現実にあったことだった。
配慮のない会話も、職場で女性の容姿をからかうのも、教育現場での暴力も、残念なほどに全部あった。
少しでも品質の良いカセットテープで音楽を録音しようと必死だった。大体、安売りのテープが『のびて』音が悪くなった時の悲しみといったら、非常に切ないものだった。ついうっかりそんなことまで思い出してしまった。
そんな人生に疲弊した中年の心をこてんぱんにする怪作『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜日22時)。