2020年9月17日 15:58
愛猫が旅立って飼い主が『知ったこと』に涙 10年間を振り返ると…
中学校、高校に入っても彼との会話を欠かす日はなかった。部活動のこと。初めてのデートのこと。辛かったこと。楽しかったこと。家族には恥ずかしくて話せないことも全部、話せる唯一の存在だった。
そんなみーしゃが、私が大学4年の3月、ある朝突然天国へ行ってしまった。
その日は、リビングで朝食をとっていた私と母のもとに眠そうに寝床からやってきて、いつものようにお気に入りである母の膝のもとへ飛び乗った。
ものの五分、いつもなら絶対に落ちることのないみーしゃはいきなり母の膝の上から崩れ落ちた。
いくら呼んでもゆすっても、もう一度として動くことはなかった。急いで彼を抱え上げ動物病院へと向かった。まだ温かさの残るみーしゃの温度を私の体いっぱいに感じながら、大丈夫と言い聞かせて。
しかしお医者さんの診断は、もう変えることのできない事実そのものだった。受け入れることのできない事実を、何度も咀嚼しようとしながら涙が止まらなかった。
我が家に突然やってきた彼は、去る時も突然だった。待合室で涙を流しながら「みーしゃらしいね」と呟いた母の言葉にどこか納得もした。
もしかしたら、彼は自分が旅立つことをわかっていて、どうしても最後に大好きな母のもとに、お気に入りの膝の上にいこうと、最後の力を振り絞って飛び乗ったのではないかと思う。