第2回中高時代
数々の受賞歴をもつ実力派ピアニストにして、登録者60万人を誇る人気YouTuber「かてぃん」として分野を超えた活躍を続ける角野隼斗さん。「東京大学総長大賞」を得て2020年に東大大学院(AIと音楽)を卒業し、音楽家として生きることを決意。
従来の枠組みにとらわれず、ジャンルを超え、新しいスタイルに挑戦し続ける姿勢はどのようにかたち作られたのか。幼少期からのエピソード、習い事、受験、家族関係、中高時代の過ごし方などをご本人にうかがいながら、その一端に触れたいと思います。
開成の多様性の中で、自分を客観視できた
小学校のクラスで受験するのはほぼ自分だけ、という孤独な受験勉強を終え、角野さんは開成中学に入学しました。
――開成に入って感じたことは?
「多様性というか、それぞれすごくできる分野を持つ人たちがたくさんいる、という環境でした。勉強ができるのはもちろんだけどそれだけじゃなくて、ジャクリングがすごい人とか、数学オリンピックに出場するような人とか、マジックがめちゃくちゃ上手いとか。その中で自分は、たまたまピアノができるんだ、と客観視できるようになりました。
これは、東大でもそうだったのですが、地頭がよくて、かつ、ある分野にものすごく秀でている人達がたくさんいる場所にいると、自分をどう位置付けるかについて考える機会になります。
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