とはいっても、兄と同じ塾には小5の3月から入れません。隼斗のおふるの塾のテキストを全部消しゴムで消して再利用しながら、ようやく入れる塾を見つけました。最初は惨憺たる結果だったので、残り10か月でどれだけのことをやらないといけないか日割りにしました。思った以上の量でしたが、自分で言い出したことですから、本人は目の色を変えて取り組みました。
隼斗にはバイト代を払って家庭教師をしてもらい、帰りの遅い夫は早起きして朝の勉強につきあいました。家族全員で目標に向かって努力しているという雰囲気が、孤独な受験勉強を乗り切る助けになったのではと思います」
未来さんは偏差値を20近く上げて、浦和明の星女子中学校に合格しました。
――隼斗さんは東大受験直前に、ゲームの全国大会に出場されたとか……。
「そうなんです! その時はもう、夫も私もさすがに驚いてしまって。
本人がさっさと出場を決めた後に、親の同意が必要だからよろしく、って。
一度決めたら、何があってもやりぬく子ですから、署名して送り出しました。もし浪人したとしても、本人の選んだ結果ですし、まぁなんとかするだろうと」
思春期の親子コミュニケーション
――隼斗さんの反抗期はどんな感じでしたか?
「うーん、実は反抗期はありませんでした(一同、驚きの声)。