住民たちにとっては生活の一部であり、旅人にとっては沖縄の食文化や社会を学べる場所でもある食堂。人生を味わいに、旅のついでに寄ってみよう。2月28日発売1218号「沖縄」特集よりお届け。
長年、愛されてきた 日常の味を楽しみに。
20年前に沖縄に移住し、現在は食堂を営む画家の梅原龍さんは、「食堂には物語がある」と言う。
「沖縄には昔ながらの小さな食堂がたくさんあります。地元民のためのふだんの味だから、郷土料理だけでなく、オムライスや焼きそばも定番メニュー」
そんな食堂には、実はいくつかのタイプがあるのだとか。
「海の家に近い簡素な作りのパーラーも沖縄独特の食堂だし、居酒屋寄りの食堂もある。
畳席と油絵と80年代ポップスがお約束のドライブインだって食堂。“食堂”という店名の場合は、ファミレスみたいな存在かな。どの店でもおいしいごはんとその街らしい風情、会話があって、独自の物語を感じられるのが沖縄なんだよね」
昔も今も変わらぬ景色がそこにある。おいしい物語を味わいに、いざ食堂へ。

お話を聞いた人…梅原 龍 共同店主
〈玉城食堂〉を営む画家。