
探してみると都内にも名作の寺院を発見! お寺に対するイメージが 覆されるような、斬新で印象的な名建築をお見逃しなく。今回は、マウントフジアーキテクツスタジオが手がけるお寺〈松栄山 仙行寺〉を訪れました。

建築の材料として木がふんだんに使われているので、建物から温かさを感じられる。奥に鎮座する池袋大仏の素材は全てヒノキで、手彫りで仕上げられている。
ビルやマンションなどが立ち並ぶ池袋にあって、木々の温かさを感じさせる建物がある。一見、その佇まいからは寺院だと分かりづらいが、歴史を遡ると江戸時代から続く、仙行寺。由緒正しいお寺のひとつだった。2011年に東日本大震災で区内唯一の木造本堂が損傷し、2018年に再建された。
建て替えるにあたって、設計を担当したのはマウントフジアーキテクツスタジオの原田真宏。大学院で建設工学専攻を修了後、隈研吾の下で建築家としてスタートした。注目の若手建築家の一人だ。彼が仙行寺を再建した際のコンセプトは「都心の中の山寺」。寺院は山の名前をいただいていることから、山そのものが信仰の対象でもあるかのように、風景としても寺の背後には常に山が控えていて、それらは対をなしているのでは、と考えたのだとか。
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