卵焼き、蕎麦がき、板わさ……とつまみを味わった後にせいろをオーダー。
一人でじっくり、粋に楽しめるのが蕎麦屋の魅力です。
一人でも素敵に見える 蕎麦屋さんはおひとり様向き。
毎日毎食、抜かりなくおいしいものにたどり着くために探求を続けるライターの小石原はるかさんによる食の対談。今回はミュージシャンの小宮山雄飛さんを迎えて、蕎麦について語る。
小石原はるか(以下、小石原):小宮山さんはカレー好きで有名ですが、SNSを拝見していると蕎麦にもかなり入れ込んでいるご様子。私も蕎麦は好きですが詳しい方ではなく、ぜひご指南いただきたいとお声がけしました。まず、蕎麦好きのルーツはどこにあるのですか?
小宮山雄飛(以下、小宮山):子供の頃、父がよく〈神田まつや〉に連れて行ってくれていたんです。
父がお酒を飲んでいる横で、自分は蕎麦や卵焼きを食べたりして。今思えば、情操教育として「お酒はこういうふうに楽しむんだぞ」と教えてくれていたのかもしれません。居酒屋より連れて行きやすかったでしょうし。それで自然と、大人になったら蕎麦屋で飲むぞ、と思うようになっていたんです。
神田まつや
明治17年の創業当時の面影を残す建物が目印。