「自分のために家具を作ってもらうことは自分の物語を描くこと。それには自分はどう生きるのかを決める力が必要でした」。
エッセイストの寿木けいさんはテーブルやキッチン、照明を家具職人やアーティストの方に一から依頼して作ってもらった。大変だけど、豊かで、おもしろくて、楽しい。その制作と思考の過程を聞きました。寿木さん書き下ろしのエッセイも。
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鈴木さんと最終打ち合わせ。細かなサイズや仕様を確認。

栗材の表面を削っているところ。なめらかな木肌が現れる。

直径150センチのテーブルの「型紙」を、丸太から切り出されたままの姿の栗材に合わせてみる。

鈴木さんのアトリエ。家具のサンプルを見ながら打ち合わせができる。
それから、こんな出会いもありました。
さまざまなキッチンのショールームに出かけましたが、既製品にはなかなか気に入ったものがありませんでした。私がキッチンに合わせるのではなく、キッチンが私に合わせてほしい。こんな簡単なことがなぜ叶わないのだろうと、行き詰まっていたそのとき、
「作っては?いい職人さん知ってますよ」
建築家の坂野さんが教えてくれました。こうして、鈴木岳さんを紹介してもらい、私のキッチン計画が動き出したのでした。