21世紀、いまはワンクリックでなんでも手に入る時代だけれど、本当に欲しいものはいつも見つからないような気持ちになるのはなぜだろう。
でも忘れないで。私たちには最強の相棒、ハンドがあることを。
ちょっとの失敗なんて気にしない。心の動くままに手を動かせば、世界でたった一つの愛おしいモノたちが誕生するかもしれない。
今回は、カラフルでノールールな《編み物》の世界をのぞき見。
ゲスト:原裕衣子さん
「意味のないものをつくってもいい」
メイクアップアーティストの裕衣子さんの生活に今、欠かせないものは編み物。隙間時間を見つけては、もくもくと作業する時間が、何よりの癒しだ。
普段はメイクやスタイリングの仕事の依頼をときどき受けながら、自身のさまざまな制作に打ち込んでいる彼女は、美大卒。「大学では空間デザインを専攻していました。舞台美術を制作したりするので、グループワークが多くて。あと私は、なんでも感覚でこなしてしまうところがあるので、あえて芸術を理論的に考える授業をたくさん選んでいました。大学で何かを制作する時って絶対にコンセプトや論理的な説明、意味がなくてはいけない。卒業する頃には、何かを作るのなら意味のあるものを作らなければ価値がないんだ、とまで思っていました」