なんばの酒場商店街で大衆を迎える〈正宗屋 相合橋店〉のオリジナルの逸品は、なんとカステラ!大阪成分がぎゅっと詰まった、それはお酒の恋人。
〈 正宗屋 相合橋店 〉のカステラ [ 日本橋 ]

なんばの街が寝静まる頃、厨房に立って仕込みをするベテランの板前さん、あだ名は「長老」。

ドヤ顔してないです。しっとりと小鉢に紛れてる。

「カステラ」(420円)は、爪楊枝で“羊羹食べ”するのが最適解。平日と土曜が20個、日曜が40個限定。

大阪の酒場には、酒専用のカステラがある。なんて言ったら、エンタメしてますねぇ、と言われるのだろうか。切々と語らせてください。カステラはしっとり控えめな子なのだと。
ショーケースのなか、小鉢に囲まれながらしれっとそれはいる。ポルトガルより伝わった南蛮菓子に擬態して、ファニーに酒を誘う「カステラ」である。
その正体は、魚卵を出汁で冷やし固め、アタマに蟹味噌を塗った、泣けるほど飲んでしまう酒ドロボー。ここまで読んだあなたから「さすがはお笑いの街、笑売上手だなぁ」の心の声が漏れ聞こえたけど、全力で否定させてほしい。決してウケ狙いのグルメなんかじゃないのです。
カステラは、実は小鉢で通年提供する魚の子の煮付けの〝おいしい副産物〟。