2017年9月28日 07:00
ホールスタッフは全員、認知症――海外からも注目の「注文をまちがえる料理店」

レストランのトレードマークは、てへっと笑って、ぺろっと舌を出す“てへぺろ”マインドを表している。撮影/渡邉智裕
「ご注文を繰り返します。フォークで食べる汁なし担々麺が1つ……」と、愛くるしいおばあちゃんのホールスタッフが確認するや、「あ、担々麺じゃなくてオムライスです」と、笑みをこぼしながら訂正するお客さん。
店内が、牧歌的で柔らかい雰囲気に包まれたのは、『注文をまちがえる料理店』という名のレストラン。9月16日~18日の3日間、東京・六本木に期間限定でオープンした。
実は、この料理店、ホールを担当するスタッフが全員、認知症を抱えている女性と男性で構成されているという、なんとも不思議なレストラン。今年6月3日~4日に開催された、プレオープンでは大きな反響を呼び、海外メディアからも取材申し込みが殺到。認知症を抱える人たちへの新しいアプローチとして、国内外問わず熱視線を送られているのだ。
それにしても、どうしてこのようなレストランが誕生したのか?
「認知症介護のドキュメンタリー番組を作っていたときに体験した“間違え”がきっかけでした」と語るのは、発起人であるテレビ局ディレクターの小国士朗氏だ。
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