2017年9月28日 07:00
ホールスタッフは全員、認知症――海外からも注目の「注文をまちがえる料理店」
スタッフ同士が支え合い、お客さんとスタッフも同じ空気を吸っている。認知症の方に限った話ではなくて、今後は外国人の店員さんやお客さんも増えてくる。お店とお客がお互いに寛容性を持つ飲食店が増えてくれたら」と、店の魅力に声を弾ませる。
■自信とやりがいを感じ、モチベーションがUP
3日間で延べ18名の認知症を抱える方がホールスタッフとして従事。交代制で、本人や家族と相談し、ケアスタッフが見守るなか、過度な負担がかからないようにサービスに努める。料理はすべてプロのシェフが担当している。
「体力や気持ちの面を考慮する福祉の専門家からの視点と、効率よくオペレーションするために必要なアイデアを出す飲食の専門家からの視点は違うので、十分な議論が必要でした」
レストランとしてもきちんと機能させ、ロゴや内装などのデザインにもこだわって、認知症当事者とお客さん双方が楽しめる環境づくりを目指した。プレオープンのアンケートでは、「また来店したい」と、回答した人が90%という数字が物語るように、ただ単に認知症を抱える人たちを働かせる料理店というスタンスに帰結していないことも、支持を集めている理由だろう。
2日間、ホールスタッフとして活躍した都内のグループホームに入居する70代女性の山田さん(仮名)
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