2017年9月28日 07:00
ホールスタッフは全員、認知症――海外からも注目の「注文をまちがえる料理店」
は、「間違えても、みんなでサポートしてくれるので楽しい。お客さんの笑顔を見ると、やる気が湧いてくるの(笑)。自分ひとりでは何もできないってわかっているから、おかしな話だけど認知症当事者同士のコミュニケーションも抜群。私はもともと接客業をしていたから、こういう機会があるとやりがいを覚えるわ」と、穏やかな笑顔の中にも充実した表情をのぞかせる。
山田さんのように、前回に引き続きホールスタッフを担当した方も多く、「また機会があるならやってみたい」と、早くも次回の開催を心待ちにしている参加者もいるほど。
6月のプレオープンでは60%ほどあった“間違え”が、今回は25%ほどに減っている。
認知症を抱える人であってもサポートをすればきちんとサーブ(給仕)ができることを実証した結果であると同時に、やりがいを感じることが当事者のモチベーションアップにつながることを示した好例ともいえる。「認知症の方は、自分でできることが少なくなっていくと自信を失い、みずからの存在意義を疑うという悪循環に陥ります。活躍することや認められることで自信を取り戻すため、『注文をまちがえる料理店』のような存在は心強いです」
こう語るのは、山田さんが入居するグループホームのケアスタッフ。
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