2017年9月28日 07:00
ホールスタッフは全員、認知症――海外からも注目の「注文をまちがえる料理店」
自分でやることの大切さを再認識させる場でもある同店の取り組みは今後、ますます大きな注目を集めそうだ。
■認知症と向き合うためには、認知症に触れることが大事
その一方で、問題がないわけではない。限定オープンという形式をとる同店は、インターネット上で賛同者を集め、その資金をもとに企画を実現するクラウドファンディングによって運営されている。常設を望む声も少なくないが、定期開催ですら大きな資金とサポートを伴うため、その道のりは決して容易ではない。
「まずはしっかりと年に何回か期間限定で続けていくこと。やはり認知症と向き合うためには、認知症に触れることが大事ですから、関心を持ってもらえるきっかけとなる場を作ることが大事だと思います。だからといって肩ひじを張って来場するような場ではなく、自然体で知ることができるような場でありたい」
美味しいご飯を食べに行った料理店でたまたま認知症についても知る。頼んだはずの料理と違うものが出てきたけど、“ま、いっか。こっちも美味しそうだし(笑)”……そんなライトな感覚で、まずは認知症に触れることができたら、よりたくさんの人に理解が深まるに違いない。
「マタニティーマークのように認知症を抱えている方が、『注文をまちがえる料理店』のトレードマークにもなっている“てへぺろ”(てへっと笑って、ぺろっと舌を出す動作)
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