2017年12月24日 12:00
注文した料理が間違われても、怒らず「まぁいいか」と笑える世界がここにはある
ことを信条にした介護を30年にわたって行ってきた、この世界のパイオニア。和田さんのグループホームで生活する認知症の方々は、買い物も料理も掃除も洗濯も、自分ができることはすべてやります。
ロケの合間に、おじいさん、おばあさんの作る料理を何度かごちそうになっていたのですが、その日の食事は強烈な違和感とともに始まろうとしていました。
というのも、僕が聞いていたその日の献立は、ハンバーグ。でも、食卓に並んでいるのはどう見ても、餃子です。ひき肉しかあってない……けどいいんだっけ?
「あれ、今日はハンバーグでしたよね?」という言葉がのど元までこみ上げたのですが、うっと踏みとどまりました。
「これ、間違いですよね?」その一言によって、和田さんたちとおじいさん、おばあさんたちが築いている、この“当たり前”の暮らしが台無しになっちゃう気がしたからです。
■「注文をまちがえる料理店」が生まれた瞬間
ハンバーグが餃子になったって、別にいいんですよね。誰も困りません。おいしけりゃなんだっていいんです。それなのに「こうじゃなきゃいけない」という“鋳型”に認知症の方々をはめ込もうとすればするほど、どんどん介護の現場は窮屈になっていって、それこそ従来型の介護といわれる「拘束」
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