2019年1月21日 16:30
稀勢の里の引退報道に抱いた「違和感」、伝える側には封印すべきフレーズがある

第72代横綱・稀勢の里
横綱・稀勢の里が1月16日に引退を表明した。
その報(しら)せは瞬時に臨時ニュースとして伝えられ、ちょうど朝のワイドショー放送に重なったため、その後、昼のワイドショーまでもその話題でもちきりに。
夕方から夜のニュース番組でもトップで伝えられていた。横綱の引退がここまで大ニュースとなるのは、相撲人気の高さの表れでもあるだろう。
しかし、その伝え方に違和感を抱いた人たちが大勢いる。
■日本出身ではなく、茨城県牛久市出身の横綱だ
どの番組もそろって「日本人横綱の引退」「19年ぶり日本出身横綱の引退」と、ことさら日本、日本、日本を連発したのだ。
これには稀勢の里ファンたちも困惑。稀勢の里がまるで日本人であることだけが美徳であり魅力であるかのような、さらに昨今多い、日本万歳的なテレビ番組作りの流れに沿ったような伝え方に気持ち悪さを感じている人が多く、コラムニストの小田嶋隆さんや作家の北大路公子さんらも、そのことについてツイートしていた。
確かに大相撲において「出身地」は常についてまわるもの。力士が土俵に上がるたび、場内アナウンスで出身地が読み上げられる。それは戦国~江戸時代、力士がそれぞれ各藩の大名のお抱えだったことに端を発する。
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