2019年2月27日 21:00
『ポーの一族』『花伝ツァ』少女まんがファンの夫妻が語る「吸血鬼まんが」の魅力

(左から)中野純さん、大井夏代さん撮影/北村史成
萩尾望都、木原敏江、山田ミネコ、里中満智子……。かつて少女まんがを読みふけった経験がある人なら、聞き覚えがある名前だろう。これらの人気まんが家に共通している点は、「吸血鬼が登場するまんがを描いている」ということなのだ!
■『ポーの一族』が少女まんがを変えた
本書では、1950年~’70年代に少女まんが雑誌で描かれた153作品の「吸血鬼まんが」を紹介する『少女まんがは吸血鬼でできている古典バンパイア・コミックガイド』。なんと376ページの厚さだ。その理由を著者の2人に尋ねると、
「最初はこんなに厚くなるとは思わなかったんですよ。調べているうちに次々と、吸血鬼が登場する作品が見つかりました」
と、大井夏代さんが言い、
「書きながらどんどん増えていって。最後まで目次が決まらなかったんです」
と、中野純さんは笑う。
おふたりはご夫婦で、子どものころからの少女まんが好きが高じて、1997年に東京都日の出町に『少女まんが館』という私設図書館を開設した。のちに、あきる野市に移転し、約6万冊の少女まんが雑誌と単行本を所蔵する。
「2人ともに大好きなのが、萩尾望都が’70年代に描いた『ポーの一族』。
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