くらし情報『陸前高田の声を国内外に伝える瀬尾夏美さん 被災地が経験した「2度目の喪失」』

2019年3月24日 21:00

陸前高田の声を国内外に伝える瀬尾夏美さん 被災地が経験した「2度目の喪失」

でも、陸前高田は地形が素晴らしくて、町がなくなったあとも確かに美しかった。

その光景を絵で描きたいと思ったんです。最初は岩手県大船渡市の産直でアルバイトし、その後、アーカイブセンターのスタッフとなって、震災当時の状況を記録しようと地元の方々にインタビューをしました。

ただ、震災発生時の生々しい話ばかりを集めてネットで公開するという方針に違和感を持ちました。

いま聞くべきなのは、どうやって死者を弔っているのか、あるいは失ったものと、どう折り合いをつけるかということだと思ったんです。それで違う書き留め方を自分の役割としようと考え、意識的にツイッターで文章を書くようになりました」

本書には地元のおじいさん、おばあさんが何げなく語る言葉や動作が書き留められていて、胸を打つ。

「あるおじちゃんは体験を日本語で書くのがつらいので、勉強して英語で綴っていました。友人の小森が撮った映画『息の跡』(2017年)の主人公でもある種苗店の佐藤貞一さんです。彼はいまも書き続けていて、ノートが辞書みたいに分厚くなっています」
■この場所から離れて
できることを考える

’14年には陸前高田の復興工事が進展し、かつての町を更地にし、盛り土をして嵩上(かさあ)

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