くらし情報『自閉症の息子をもつ母がたどり着いた「普通」という呪縛からの解放』

2019年4月6日 11:00

自閉症の息子をもつ母がたどり着いた「普通」という呪縛からの解放

自閉症の息子をもつ母がたどり着いた「普通」という呪縛からの解放
著述家・講演家、立石美津子さん
「ジャー!」

「横浜ランドマークタワー3階のトイレ。TOTOC425」

スマホを耳に当てた勇太君(18=仮名)はトイレを撮影した動画の流水音を聞くだけで便器の型番をスラスラと答える。200種類以上入れてある動画のごく微妙な音の違いまで聞き分け、どの動画で試しても正解が返ってくる!

■精神年齢は5歳8か月

自宅での勇太君はほとんどの時間をパソコンの前で過ごす。トイレの動画を一心不乱に見て、ときどき家の中をぴょんぴょん走って、また戻ってきて動画を繰り返し見る。

勇太君は知的障がいを伴う自閉症だ。先天的な脳の機能障がいで、特定のものへの強いこだわりや興味の偏り、他人との関係の形成が難しいなどの特徴がある。知能指数(IQ)は37。今年3月に特別支援学校高等部を卒業したが、精神年齢は5歳8か月だという。

そんな勇太君を、立石美津子さん(57)はシングルマザーとして、ひとりで育ててきた。一時は親子で死んでしまいたいと思い詰めたほど大変な時期を乗り越え、穏やかな生活を手に入れた。

「障がい児を育てる親の中には“今度産むなら健常児がいい”という方もいますが、私は自閉症児がいい。

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