
元プロテニスプレーヤー杉山愛さん撮影/渡邉智裕
春まだ浅き湘南・茅ヶ崎。
小高い丘を上り新緑に包まれた白い洋風のクラブハウスを抜けると、雲ひとつない真っ青な空の下から、弾むような子どもたちの声が聞こえてきた。
やわらかな日差しのこぼれるテニスコートで無心にボールを打ち返す子どもたち。
「足からいって、そうそう」
「上からボールを見ない、下から、下から」
「ナイスショット」
ここは、元プロテニスプレーヤーの杉山愛(43)が代表を務めるパーム・インターナショナル・スポーツ・クラブ。連日、30人のジュニアたちが大好きなテニスと向き合う。コートサイドでは、生徒の親も練習を熱心に見つめていた。
■4歳でラケットを握った
「上下関係がなく、先輩も後輩も呼び捨て。部活っぽくなくて家族的な雰囲気が素敵なんです」
そう語るのは、小学3年生の娘を見守る母親。
高いレベルを目指してほかのクラブから息子を移籍させたという父親の姿もあった。
「愛さんが、ひとりひとりと直接ラリーをして、細かく指導してくれるから励みになります」
保護者とコーチが、一緒に子どもたちの成長を見守る。それが愛の流儀。
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