くらし情報『各地で開催される「市」に30年通い続けてわかった、お金だけじゃない価値基準』

2019年5月18日 16:00

各地で開催される「市」に30年通い続けてわかった、お金だけじゃない価値基準

各地で開催される「市」に30年通い続けてわかった、お金だけじゃない価値基準
山本志乃さん撮影/北村史
地方の町を歩いていると、通りでやっている朝市に出会う。野菜や花、魚や加工食品などを売る店が路上に並び、近隣の住民が買っていく。そこには、都会のスーパーや商店街では感じられない活気に満ちあふれている。

本書の著者・山本志乃さんは30年にわたって、各地で開催される「市」を訪ね、そこに集まる人たちの話を聞いてきた。そのきっかけは?

■目の肥えた常連客がいい市を維持させる

「大学院のとき、千葉県大多喜町の朝市に行きました。私は市を勝手に雑然とした駆け引きの場ととらえていて、軽く“まけてくれない?”と聞いたら、売り手のおばさんに“だめだよ”って断られたんです。

思い込みをくつがえされたことで探究心が湧いて、出店する農家に住み込んで一緒に市に出させてもらったんです。

出店者の話を聞くほか、店にカセットレコーダーを置かせてもらい、店主と客の会話を分析しました。

常連客は最初から買うものを決めて来るし、売るほうも相手の好みや家族構成を知っているから量も調節できます。それで買ったあとに、ちょっとだけ“おまけ”を渡すんです」

市の内側から見ると、景色が違ったと山本さんは言う。

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