くらし情報『『お母さん二人いてもいいかな!?』の著者が「大丈夫?」「かわいそう」の声に思うこと』

2019年9月30日 19:00

『お母さん二人いてもいいかな!?』の著者が「大丈夫?」「かわいそう」の声に思うこと

おまけに妻は同性愛者であることを隠していましたから、私たちの関係を把握しているのも妻の親友たちだけ。妻の両親には認められていません。

妻が30代を過ぎたころに血管障害で亡くなったとき、友達のフリをしてお線香をあげに行くと、本物の親族とおぼしき人に「お嫁にも行けなかったし子どもも産めなくて哀れな人生だった」と、人生を評されていました。

後年、子持ちの女性と再婚した私は「同性愛は少子化に拍車をかける・生産性がない」という攻撃を受け流せる強い立場にありますが、わが家とは別のところに同性愛者を狙撃したはずの流れ弾で胸が張り裂けたご夫婦もいたはずです。選択的に子どもを持たない夫婦や、不妊治療に耐えている夫婦も。

私は「子どもを育てて一人前」という裁きが嫌いです。育児は大変で、いたわられるべきことです。でも、子どもは誰かの上に立つための勲章ではありません。

今でも「妻は哀れではありません、子を産まない人生に納得していました」と言い返したくなりますが、それでも「産めばわかる」という無敵の論法で切り返されたらどっちみち話は強制終了です。妻の矜持(きょうじ)は静かにそばに置いて、子がある人にはある人の、ない人にはない人の、お互いに勝つことも負けることもしない、くらべられない尊厳があることは語り続けたいと思います。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
instagram
instagram
twitter
twitter
ピックアップ
上へ戻る

Copyright © 1997-2020 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.