2019年11月30日 11:00
ハリウッドスターに愛された日本人の「できます」と言っちゃう逆転人生

メイクアップ・アーティストカオリ・ナラ・ターナーさん撮影/伊藤和幸
長雨のあがった10月の午後、東京・表参道のスタジオにブロンドヘアの女性が颯爽(さっそう)と現れると、その場の空気が一気に華やいだ。
「ハイ、ハウアーユー?」
太陽のような笑顔のその人はカオリ・ナラ・ターナーさん(85)。アメリカ、ハリウッドでメイクアップアーティストとして、映画『フラッシュダンス』(’83年)や『アメリカン・ビューティー』(’99年)、人気テレビドラマ『アリー my Love』などを手がけ、テレビ界のアカデミー賞といわれるエミー賞を日本人として初めて受賞した人物だ。現在もハリウッドのメイクアップアーティストのユニオン(組合)に所属し、活動を続ける。
■どこへ行っても「ミススマイル」と呼ばれて
「ユニオンでは奇跡の人って言われてるの(笑)。実際は“アクティビティー・イン・リタイアメント(退職後の活動)”で、もう年金をもらっている立場なんだけどね。電話がかかってくれば出かけていくのよ。昔スターだった人がトークショーに出たり、オスカーのプレゼンテーターで出席するときにオファーをくれるんだけど、楽屋で懐かしい人に会えるのが楽しいの!」
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