2020年2月9日 16:00
村上春樹作品に出演の大貫勇輔、“究極の悪役演技”に活かした「過去の自分」

大貫勇輔撮影/佐藤靖彦
最近、『ルパンの娘』や『グランメゾン東京』といったドラマで虜になった人も多いだろう。大貫勇輔(31)は超人的なダンサーであり、踊って歌える俳優。その彼が、村上春樹の小説を舞台化する『ねじまき鳥クロニクル』で挑戦するのは、根源的な悪ともいうべき難役、綿谷ノボルだ。
■「自分が最高だ」という時期もあった
「難しいですね。“いまの時代にこういう人っているのかな?”と考えても、パッと出てこない。だから、何もないところから創りあげていく作業です。
ある意味、天才的な男でしゃべる言葉にすごく説得力があると書かれているんですけど、“説得力のあるしゃべり方って何だろう?”とか(笑)。彼にふさわしい身体のあり方、声のあり方というものを模索中です」
悪とはいえ、シンパシーを感じる部分も?
「悪役って、自分が“悪役だ”と思って演じている人はいないんじゃないかな。自分なりの、ある種の正義があって、それは別の面から見ると黒に見えたりするけど、自分では白だと思っているから。
実を言うと僕は昔、ダンスだけをやっていたとき、“自分が最高だ”と思い上がっていた時期があるんです。いまは違いますよ!(笑)
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