2020年3月29日 11:00
ホスピス医が教える「看取る側」「看取られる側」の“後悔のない最期”の迎え方

ホスピス医・小澤竹俊先生撮影/北村史成
「人に頼らず最期まで元気なまま向こうへ行ける……だから多くの人はピンピンコロリが幸せと考えますが、私が知る限りでは、そうやって亡くなる方はほぼいません」
これまで3000人以上を看取ってきたホスピス医の小澤竹俊先生は、心臓が原因の突然死や事故死などでない限り、“ピンコロ”はないと思ったほうがいいといいます。
■“ピンコロ”でなくても幸せな最期が!?
「しかしそうでなくても、人は幸せに最期を迎えることができるんです。そのために必要なのは“ゆだねること”です。自分がしたいことができなくなると、人はすごく悔しいんですね。ある患者さんでも『先生、お願いです。リハビリをしてください。ひとりでトイレへ行きたいんです。あの嫁にだけは、下の世話になりたくない』と言うんです。
自分のことができなくなったら誰かにやってもらわないといけない。それが嫌だ、苦しいと思うから、ピンピンコロリがいいと思うわけです。でも迷惑をかけてもいい人、あなたの苦しみをわかってくれる人がいれば、その人にゆだねてみるんです。ゆだねる相手となってくれるのは、信頼できる、あなたの話を聴いてくれる人です」
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