筆者の子どもは公園で「邪魔だ!」と高齢男性に杖(つえ)を振り回されたことがある。どこが安全な遊び場なのかわからず困っている親は少なくない。事故や犯罪に遭わぬよう、目が届く自宅前で子どもを遊ばせたい保護者もいる。このような現実がある中、道路族の問題にどう向き合うべきだろうか。
平本さおりさんは、ラッシュ時に毎日、ベビーカーで保育園に通う中、電車内で「邪魔だ!」と怒鳴られた経験がある。そうしたことから、子連れの母親が嫌がらせを受けたり、ベビーカーを蹴られたりする「子連れヘイト」の問題に取り組み続けてきた。『子連れ100人カイギ』の実行委員長として、仲間とともに東京都に訴えかけ「子育て応援車両」の導入につなげた。
平本さんは「家で静かに過ごしたい人、子どもを家の前で遊ばせたい人、双方に理由があるんですよね」と話す。シェアハウスで子育てをする中で「子どもが苦手」という人に出会った。家族のような関係だからこそ「どうして苦手?どう調整できる?」と聞くことができたという。
「どちらの主張が正しいという話ではなく、お互いの間にある解決策を考えることが必要ではないでしょうか」
一方、「道路族もベビーカーの問題も、都市化に伴う人口過密という社会の問題でもある」
…