2020年8月17日 11:00
ホームレス取材歴20年のライターが体験した、西成での過酷な「21時間労働」の実態
ホームレス取材歴20年のライター・村田らむさんが上梓した新刊『ホームレス消滅』(幻冬社新書)が話題だ。今回は、村田さんが体当たり取材して目撃したホームレスの暮らしぶりや、日雇い労働者の簡易宿泊施設が集まる“ドヤ街”の実態をレポートする。

ブルーシートを使って作られたホームレスの住まい。洗濯物が風になびいている写真提供/村田らむ氏■数百人のホームレスが住んでいた上野恩賜公園
僕がライターになってもう20年になる。ライターになった初期のころから、ホームレスを取材対象にしていた。
ライターになる前は、フリーランスのイラストレーターをしていた。インドア派で外にはほとんど出ない生活だった。それがなぜ急にホームレスに興味を持ったかというと、東京に遊びに来た母と、上野恩賜公園へ遊びに行ったのがきっかけだった。
90年代末の上野恩賜公園は、ホームレスたちが数百人テントに住んでいた。見渡す限り人が住んでいた。僕は、初めてみる光景に度肝を抜かれてしまった。
「話を聞いてみたい……」
と思ったのだが、イラストレーターが興味本位で話しかけるのもなんか違うと思った。それでライターになって、改めて話を聞くことにしたのだ。
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