2020年11月14日 18:00
松本人志も絶賛の漫談家ぴろき、コロナ禍で“大損害”を被っても寄席にこだわるワケ

大好きなウクレレを抱えてポーズを決めるぴろき
ちょんまげに丸めがね、白いフリルシャツに、赤チェックのデカズボン。
独演会の会場は満席(とはいえコロナ禍なので間引きしているが)だった。個性的すぎるいでたちで現れたぴろき(56)は、開演前にもかかわらず自らマイクのテストをこなし、前方の客たちに親しげに話しかけている。いざ高座に上がると、抱えたウクレレをぽろん、と鳴らしたまま、客を見渡す。そこここで笑いが起こると「何か問題ありますかね」と問いかける。いつ聞いても何度見ても、誰が見ても笑いが漏れる。
「娘が髪を染めてきたんですー。親からもらった大事な髪を染めるなと言ったら、娘が言いました。“親からもらった大事な髪、禿(は)げたりするな”って」
■岡山から東京に進学し、寄席通いの日々
彼のネタは基本的に自虐である。誰も傷つけず、自らを削(けず)って笑いをとる。その姿勢は、ぴろきの大好きなピエロそのものであり、衣装もピエロからヒントを得ているという。
「笑いの原点がピエロだと思うんです。だから迷ったり悩んだりしたら、そこに戻ることにしています。“そうだ、自分がバカになればいいんだ”と」
芸歴39年。
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