2020年11月14日 18:00
松本人志も絶賛の漫談家ぴろき、コロナ禍で“大損害”を被っても寄席にこだわるワケ
どれだけ損害を被(こうむ)ったと思います?20億ですよ!(笑)」
それでも「今年これだけひどかったんですから。来年は、今年の2倍は稼ぎますよ。所得倍増ですよ」と笑いを誘う。どこまでいっても何があっても、笑わせないと気がすまない。芸人の心意気である。
「やっぱり『笑う』って大事なことだと思いますね。自慢するわけじゃないけど、弟の知り合いがひきこもってしまったことがあるんです。そのとき僕の(ユーモアたっぷりの人生応援歌が収録された)CDを聴かせたんですって。そうしたら、部屋から出てきたという。それを聞いたときは、笑いが特効薬になったのかとうれしかったですね」
「人は楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」という言葉もある。何があっても命が助かったら、次は明るい気分になりたいのが人間の性(さが)かもしれない。先の見えない昨今の情勢下においても、笑いは希望への第一歩なのではないだろうか。
ぴろきの高座の締めは「明るく陽気にいきましょう」である。
■30歳で訪れた“運命の出会い”
「こう見えても、妻と娘がいるんですよ」
高座でそう言うと、客席からは遠慮がちながら笑いが起こる。それをじっと聞きながら、ぴろきは言う。
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