2020年11月14日 16:00
ひきこもり当事者“コロナ禍”の明暗、リアルな居場所が消え「がちこもり」になる不安も
現在、全国に100万人いると推測されるひきこもり。近年、中高年層が増加しており、内閣府は昨年初めて、40歳以上が対象の調査結果を公表した。一般的には負のイメージがあるひきこもり。その素顔が知りたくて、当事者とゆっくり話してみたら……。(ノンフィクションライター・亀山早苗)

※写真はイメージですひきこもりと自粛生活
新型コロナウイルスに関してはまったく予断を許さない日々が続いている。3月以降、徐々に対面取材ができなくなり、緊急事態宣言が出された4月からは取材がことごとく延期に。ライター生活も30年を超えるが、こんなことは初めてで、私は気力をなくした。特に本連載は、対面を重ねながら書いてきた大事な記事で、会えなければ意味がない。鬱々としているうち、彼らの意見を聞きたくなった。
ひきこもり経験者の多くは、穏やかでまじめで繊細。ゆえに傷ついてひきこもってしまうことが多いのだが、私自身は彼らと同じ場にいると、とても気持ちがラクになる。彼らは他人を責めないからだ。
このコロナ禍において、彼らはどんな思いで過ごし、社会や経済活動が止まったことをどう思っているのだろう。
「外に出て働かなければいけない」
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