2020年11月28日 11:00
「ペコちゃん」看板娘になって70年!戦後の日本が「不二家」に込めたエール
ペコちゃんに心をつかまれた人々が彼女を長く愛してしまう秘密はどこにあるのか。
入社以来、社内外で多くのペコちゃんファンを見てきた橋詰さんの答えは明快だった。
「ペコちゃんの顔を見ると、誰もがたちどころに微笑んでしまう。そんな魔法があるのではないかと思えるときがあります」
その言葉に、前出の“ペコラー”ユキさんから聞いた話が蘇る。彼女が大切に保管しているペコちゃんグッズの数々──その中には、ペコちゃんの母子手帳カバーが置かれていた。
「お腹のなかにいるときに亡くなってしまったんです。生きていたら、ペコちゃんのオーバーオールを着せたかったですね。きっと私と同じペコラーに成長したはずなので」
すでに性別も確認できる週数に入っていた矢先の悲劇。母ひとり娘ひとり、シングルマザーで育てる決意も希望も一瞬で消え去り、悲しみに暮れたという。
亡くなった娘さんとの思い出がペコちゃんに重なり、つらくなることはないか。そんな踏み込んだ質問にも、ユキさんは穏やかに答えてくれた。
「つらかった日々もありますが、やっぱりペコちゃんを見ると心の底から元気になれるんです。幼いころ、両親がイベントのときに不二家のケーキを買ってきてくれました。
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