2020年11月25日 05:00
<AID>精子提供で生まれた60代女性、31歳まで明かされず「嘘の中で、大きな不信感」
を始め、「信頼できる人にきちんと話を聞いてもらう、言葉にして整理する」ということをしていくうちに、だんだんと自分を責める必要はないことがわかり、ようやく「贖罪の気持ちは手放すことができた」といいますが、それにしても随分長い間、彼女はひとりで苦しんでいたのでした。
「これから先も、そういう状態にならないとは限りませんよね。人生80、90年もあるわけで、いろんな節目に、いろんなことが起こるじゃないですか。何か自分にとってきついことが起きたとき、そこにガッと引き戻されたりするんですよ。生まれというのは、自分の根っこのところなので」
それほど苦しむのなら、事実を知らないほうがよかったのでは?そう思う人もいるかもしれません。でも木野さんは、やはり事実を「知ってよかった」と話します。
■きちんと相談できる窓口がほしい
「本人が知らないままでいるなんて、そんな馬鹿にされることはないだろう、人を馬鹿にするのもいい加減にしろ、というくらいには思います。あなたはどういうふうに生まれた人ですよ、と伝えたうえで、親子としていっしょにやっていきましょう、というのは、少なくともあってしかるべきだろうと思いますし。
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