2020年12月27日 13:00
『魔女の宅急便』作者・角野栄子さん、85歳でも衰えない“物語を書く喜び”と“冒険心”

作家・角野栄子さん撮影/渡邉智裕
「身近なところで新しいことって、見つけられるものよね」
コロナ禍でも自宅の庭で好奇心の種を拾い集めて目を輝かせる。外の世界への興味や冒険心は10代のころから変わらない。子育て真っ盛りの時期にデビューし、作家生活50周年──その原点には、5歳で亡くした母親からの「贈り物」があった。
■作家になるきっかけになった場所
「ブラジルの暮らしがなかったら、私は物語を書くという一生の喜びを知ることはなかったでしょう」
『魔女の宅急便』や、『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ』シリーズなど、児童文学作品200冊以上を生み出してきた、作家の角野栄子さん(85)。今年は、思い出の地・ブラジルに渡航をする予定だった。
「作家生活50周年ということもあって、サンパウロで、私の展覧会をする予定だったんです。私が若いころ2年間過ごし、作家になるきっかけになった場所ですから。ブラジルの人にも私の本の世界を見ていただきたいと思って企画していたんですが。コロナの被害が大きくて、展覧会が中止になってしまって……。残念ですね」
角野さんは80歳のとき、10年有効のパスポートを作った。
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